デブゲイ小説 

そうがっちりとした、坊主頭のデブゲイナース

五郎は、訳がわからなかった。
昨晩のことは、夢でも何でもなく確かに現実である。

テレビを見ようと、リモコンを手探りで探していたら、
何かプラスチックのようなモノが、右手に触れた。

すぐさま掴んで目の前に持ってくると、名札だった。
丁度、名刺サイズのプラスチックのよくある代物だった。

「看護士 守上元気」と書かれていた。

奴のだ!オレは昨晩のことが夢じゃないと確信した。
それを、ベッドサイドのテーブルの引き出しにしまい込んだ。

熱と血圧を測りに来た看護師のねえちゃんに、それとなく聞いてみた

「ねえ、守上って看護士っているよね?」
「はぁ?守上ですか?」彼女は、ポケット端末にデータを打ち込みながら
聞き返した。

「そうがっちりとした、坊主頭の・・・」
「あーあの、えぇいましたけど、去年止めましたけど、何か?」
「いや、前に入院したときに、世話になったものだから、
彼、まだいるかなって」
「残念ね、いないんですよ」

彼女は見透かした目で、そう言いながらカートをがらがら押して
病室から出て行った。

「はぁ?去年?わけわかんねえ・・・」

普通なら、忘れちまうのに
俺っちは、奴のことが日を追うごとに頭から離れなくなっていた。
ダメだ、完璧にヤラレちまった。一目惚れつうかうーん
もういっかい会いたいぞ!できればつきあいたい。

あれから、夜中に幾度となくナースコールをして、奴を呼び出そうとしたが
現れることはなかった。

梅雨が明け、夏がやってきた。俺はなんとか、松葉杖を使えば歩けるようになっていた。そして・・・

お盆なので、一時帰宅してる奴も多く病棟は
静かだった。冷房も人が少ないので、弱めてるようだった。
その日は、特別に暑かった、夜中に暑くて目が覚めた。
ついでにトイレに立った。

帰ってきてベッドに戻ると、ベッドサイドに誰か立ってるのに気づいた。
懐中電灯を持った例のガチムチ坊主君だった。

「どこへ行ってっすか?」「トイレ」
「歩けるようになったすね」「ああ」

知らないのか?変だな。

「あっ、そうそう、君、名札落としてっただろ?」
俺は引き出しから名札を取り出して渡そうとして気づいた。
奴は、名札をつけていた。しかも名札ではなく、プラのIDカードだった

「へへへ、もういらないっす、これになったっすから」「そうか」
「で、コールしたっしょ?トイレじゃねえっすね」
「いや、折角だからやってもらおうか?な」
「えっ?」

奴の顔が赤くなったような気がした。
俺はベッドに仰向けで寝た。すでにスウェットの前は
大きく膨らんでいた。

「やっぱ、でけえっすね」奴は膨らみをそっと撫でた。
俺は手を伸ばし奴の股間に触れてみた。奴のもでかくなっていた。
俺たちは、無言で顔を見合わせた。

「じゃあ、兄貴のために特別っすよ」
奴は、スエットを膝までずらすと、この間のように
舐めたり撫でたり揉んだりしていたが、我慢できなくなったのか
俺の砲身に何か塗りたくって、自分は白衣のズボンを脱いだ

奴は下着は着けていなかった。そして・・・
俺の上に跨がった。

「えっ?大丈夫か?」「うす」
「そうじゃなくて、ベッド」「さぁ?大丈夫っしょ」

ベッドはギシギシ音を立てて揺れていた。
奴と言えば、ゆっくり腰を下ろしていった。
奴の顔が少し苦痛に歪んだ。その顔も可愛いと思った。

「ふぅ~」と大きくため息をついた。
「入ったっすよ、じゃあいくっす」
ゆっくりゆっくり、奴は腰を上下させた。

「あぅ」先に声を上げたのは奴。
「痛むのか?」「いや、ちゃうっす、ああああああ」
奴は感じてるようだった。俺は、はだけた白衣の上着の
隙間から乳首をいじった。

「うううう」奴の中は、いままで感じたことのない快感だった
暖かくて襞が纏わり付いてくる。名器ってのはこういうのを
いうのかなって思った。

「ああああ兄貴ぃダメっ行きそうッス。兄貴は?」
「いいぞ、俺も」ベッドの軋みが激しくなった
「ああああ兄貴ぃ、兄貴ぃああああダメっっす」
「はぁはぁはぁおぅおぅ行くぞ!」
「いいっすよ、あっ」「うっ」

二人同時に果てた。奴の雄汁は、俺の顔まで飛んだ。
俺のモノは奴の中へ

それからの始末が大変だったが、一応終わった。
奴が言った。
「一端センターへ戻るっスが、話があるので
屋上でまっててくだせー」
「屋上上がれるのか?」

奴は俺に鍵を渡した。
ガラガラとワゴンを音を立てて奴は戻っていった。

暫くして、俺は松葉杖をついてベッドを抜け出し、
見つからないように屋上へ向かった
屋上への鉄扉は閉まっていたが、奴のくれた鍵で開いた

外へ出ると、物干し台にシーツとかタオルとか干してあった。
街の明かりがチカチカ瞬いていた。

それを眺めながら、持ってきたたばこに火をつけて待ってると
後ろから声がした

「病院内は、禁煙ッス」振り向くと奴がいた。
「なんだい、話って・・・」
「実は・・・」

奴の話はこうだった。5年くらいつきあっていた4つ年上の兄貴が
いたが、先週その兄貴に愛想を尽かされて別れたこと。その兄貴は
俺にどこか似てるけど、性格はまるで違うということ。もっと
早く俺に会えていたら・・・・

と1時間くらいとうとうしゃべった。空が白み始めた。

「今からでも遅くねえじゃねえか、俺と・・・・」
「それは、無理ッス」「なんで?」
「じゃぁ兄貴そろそろお別れっス。短い間ありがとうっす」
「どういう意味・・・」
「兄貴ぃ大好きっす・・・」

 

真夏の太陽が顔を出すと同時に、奴の体は透けるように消えていった。

「く、熊田さん、ここにいたんですか?」
「突然、いなくなるから心配して、大丈夫ですか?」

振り返ると、いつものねえちゃんが、心配そうに立っていた。

「鍵はどうしたんですか?」
右手に握りしめていたはずの鍵は、消えていた。
「開いてたよ」「やっぱり、最近締め忘れが多くて、すみませんでした
さっ、病室に戻りましょ」
「そうだな、散歩も終わったし」

 

ふと、気がつくと、フェンスの角に花束があった。

「これは?」
「そう、気がついちゃったのね、こないだ話していた守上君」
「飛び降りちゃったのか?」
「うん」

俺はそれ以上訊かなかった。俺の恋は、意外な形で終わってしまった
でも、リクエストに応えて、盆に会いに来てくれたのが嬉しかった

俺は、花束のある場所に向かって、ちいさく
「ありがとう」とつぶやいた。

(完)

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